17.赤兎山 −亜高山帯の野鳥を満喫−
県内有数の山岳探鳥地と言える山で,山地帯から亜高山帯までの鳥を楽しむことができ ます.赤兎山や大長山の加越国境の山並みは見事なブナ林が続いています.また,稜線から望む白山は素晴らしく福井県の名峰と言えるでしょう.林道終点付近は,以前は鬱蒼とした自然林でしたが,植林地として伐採されてしまい,開けた山並みになっているのがとても残念です.
◆探鳥カレンダー ◆探鳥地の地図
◆探鳥ガイド
  • 駐車場付近から小原峠までは早暁に歩いてみたい場所で,ヨタカ,ジュウイチ,コノハズク,マミジロなどの明るくなると鳴き止む鳥の声が聞かれます.林道終点付近では,カッコウ,ホオジロ,モズ,ヒヨドリなどの声が聞こえます.登山道へ入るとウグイス,コルリ,ミソサザイなどが休むことなく鳴いています.時にはコマドリやクロジの声が木立の奥から,ホトトギスやジュウイチの声が頭越しに聞こえてきたりします.
  • 50分ほどでブナ林に囲まれた小原峠に着き,一休みしているとヒガラやコガラが目の前まで挨拶にきてくれます.大長山へは左へ,赤兎山へはここから右へ進みます.暫くブナ林の中の急な登りが続き,30分ほどすると大舟山から経ヶ岳への縦走路の分岐点に出ます.
  • これを左に進む尾根道では,左前方に白山を,右手には経ヶ岳〜法恩寺山の稜線を望むことができます.ウソ,ビンズイやメボソムシクイの声を聞くと亜高山帯へ入ってきたことを実感できます.20分ほどで赤兎山(1,629m)の頂上に着きます.
  • 山頂には360゜の大パノラマが出現し,遠い山並みを見ているとアマツバメの飛翔が視野に入ってきます.この中にハリオアマツバメがいるかどうかも確認してみたいものです.そこから15分ぐらいで池塘とお花畑がある避難小屋に行くことができます.この辺りは,ニッコウキスゲの群落がみごとで,ビンズイが止まっているかもしれません.また,谷間のダケカンバの林でホシガラスの声を聞けたらラッキーです.

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出典「福井の鳥とけものたち」(1998年3月 福井県自然保護課)