16.大師山林道
−大仏殿を見下ろしながら初夏の林の鳥を堪能−
 越前大仏の裏山にあたる大師山は,勝山市街地から近く,整備された林道を気軽に歩くことが出来ます.樹間から見下ろす大仏殿は付近の林と調和し,集落の家並みを従えた,一見古都を思わせる佇まいです.大師山の頂上からは大野盆地から勝山市街地を通って福井方面に蛇行している九頭竜川の景色を望めます.また,山手には報恩寺山のスキー場から県境の山並みが見え,自然の雄大さを感じられます.
◆探鳥カレンダー ◆探鳥地の地図
◆探鳥ガイド
  • 林道の入口には駐車場が無いので,車は迷惑にならないように止めましょう.その付近は杉林ですが,カラ類やホオジロ,ヒヨドリなどの声に混じってイカルやウグイスなどの常連たちの声が聞こえます.30分も歩くと次第にミズナラの大木もある雑木林に変わり,初夏ならコサメビタキやオオルリ,キビタキ,クロツグミ,センダイムシクイなどの夏鳥が競うように鳴いています.
  • また,遠くからキツツキ類のドラミングが聞こえてくると山の深さを感じます.1時間も登ると左下に大きな大仏殿が見下ろせますので遠望を楽しむこともできます.歩きやすい砂利道をさらに30分も進むと稜線から平泉寺方面や経ケ岳や荒島岳が望めますので一休みしましょう.谷の向こうからホトトギスやツツドリの声が聞こえてきます.
  • 頂上(550m)までたどり着くとさらに展望がきき,奥越の山並みや法恩寺山の斜面がくっきりと見えます.5月の連休のころなら付近の薮からコルリの声が聞こえてきますが,渡りの途中なので中旬になると聞けなくなります.
  • 秋になると,落ち葉を踏む音に混じって小枝を渡るカラ類の地鳴きが聞こえますし,ツグミやマヒワの群れが目につくようになります.上空を見上げると時々オオタカやクマタカ,渡りの季節ならばアマツバメの飛翔も見られます.また,林道脇のススキ原や藪からはアオジやカシラダカが行く先々で出てきます.時にはミヤマホオジロやベニマシコもいますので,鳴き声に注意しながら歩いてみましょう.植林された斜面にはニホンカモシカがいることもあります.

back.gif (317 bytes)index.gif (317 bytes)next.gif (317 bytes)


出典「福井の鳥とけものたち」(1998年3月 福井県自然保護課)