13.西山公園 −気軽に楽しめる山野の野鳥−
鯖江市の中心地にあって,春の桜に続いて初夏のツツジのころは行楽客で賑わいます.さらにミニ動物園もあるので年間を通じて市民の憩いの場となっています.また,野鳥たちにとっても市街地の中のオアシスとなっています.ツツジ公園から一歩林に入れば,クヌギやナラ類の自然林が広がり,積雪期を除いて遊歩道を歩きながら山野の鳥を楽しめる最高の場所と言ってもよいでしょう.
◆探鳥カレンダー ◆探鳥地の地図
◆探鳥ガイド
  • 桜やツツジの植え込みのある公園広場を通り抜けて林に入ります.カワラヒワやコゲラ,シジュウカラ,ホオジロなどの声がそこかしこから聞こえてきたり,ヒヨドリが騒がしく枝移りをしているのが見られます.
  • 春の渡りのころにはアトリやシメ,ツグミなどの冬鳥の残留組に加えて,オオルリやクロツグミ,ツツドリ,コサメビタキ,コルリたちの夏鳥が次々と羽を休めては北へ向かって行きます.
  • 遊歩道をゆっくり歩けばコゲラがギィーと鳴きながら小枝を突っついていますし,シジュウカラやエナガが子育てに忙しそうに動き回っていて,6月には巣立ちビナを見ることもあります.キビタキやセンダイムシクイ,ヤブサメ,サンショウクイは,留鳥とともに夏まで彼らの声を楽しむことができ,運がよければサンコウチョウの声も聞くこともあります.
  • 秋になると,ツグミをはじめ地上で落ち葉の下の餌を探しているシロハラ,梢で高鳴きをしているモズ,枝移りしながら固い木の芽を啄むウソや,か細い鳴き声のキクイタダキを見つけることもありますので注意したい.
  • 葉が落ちた冬にはアカゲラやアオゲラの木を突っつく音が聞こえたら探して見ましょう.騒々しいヒヨドリの叫びが過ぎ去ったとき,静けさが戻った林の中でヤマガラが木の実をコツコツと突っついて割っている音や,イカルが群でキョッ,キョッと鳴いている声などがカケスのしわがれた声と共に聞こえてくるのも冬枯れの林ならではの雰囲気が漂います.夜ともなればフクロウの声を聞くこともありますので,早春のころも出かけてみたいものです.

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出典「福井の鳥とけものたち」(1998年3月 福井県自然保護課)