11．一乗滝周辺 −渓流と森林の野鳥が楽しめる林道−
福井市の郊外にある，落差12mの一乗滝は，周囲の緑に溶け込んだ市民の憩いの場となっています．夏は野鳥の声を聞きながら涼を求めるのもよいでしょう．滝から左手の一乗谷川沿いの開けた林道は，幅広く見通しがよく，初夏の林の野鳥を見るには最適です． また，晩秋には冬鳥との出会いを求めて歩いてみましょう．
◆探鳥カレンダー	◆探鳥地の地図
◆探鳥ガイド
一乗滝の駐車場に車を止めて滝の方に向かうと日差しを遮る杉木立の中で，春には，近くの谷川から声量のあるミソサザイの鳴き声が聞こえてきます．時に，橋の下からカワガラスやキセキレイも飛び出して驚かされることもあります． 杉木立をぬけ，林道を左へ大きく曲がり谷川と別れると，左側の谷向こうからクロツグミや梢からオオルリのさえずりが聞こえてきます．また，植林地や萱藪では，ホオジロ，ウグイス，ヤマガラ，シジュウカラなどの野鳥が鳴き競っています． つづらおりを過ぎ中腹の林道を1時間も歩くと，右に植林地，左に雑木林のある良い自然環境になり，森林性のアオゲラやアカゲラ，キビタキなどのさえずりが聞こえてきます．5月中旬を過ぎると，ツツドリやカッコウ，ホトトギスの声が遠くから聞こえ，また，杉のてっぺんに止まるサシバを見つけることもあり，初夏の林の鳥を満喫できるでしょう． 秋には，ホオジロやアオジ，カラ類の身近な常連たちに混じってミヤマホオジロ，ベニマシコなどの冬鳥にも会えることができます．時には上空を飛翔するクマタカを見つけることもありますので注意して歩きましょう．紅葉とともにさわやかな1日を過ごすことができます．