10.文殊山 −里山のバードウォッチング−
 福井市の近郊では登山気分の味わえる山です.登山口は周辺の集落からいくつかあり,どのコースも2時間ほどで登ることが出来ます.途中には杉の植林地もありますが,雑木林が続く登山道は早春から晩秋まで野鳥だけでなく,可憐な山野草の花々や雑木の花や紅葉など,気軽に山の季節感を楽しめます.
◆探鳥カレンダー ◆探鳥地の地図
◆探鳥ガイド
  • 平野部に島状に突きでた山なので標高が低い割には,里山の鳥も含め多くの種類の野鳥が楽しめます.入り口付近には小さな沢があり,早春にはミソサザイが大きな声で鳴いていますし,ヤマドリのホロ打ちも聞こえてくるでしょう.ヤマガラやホオジロも囀っていて,芽吹き出した木々と道端に咲くヤマルリソウやショウジョウバカマ,スミレサイシンなど々が春を告げてくれます.
  • ヤマガラ,シジュウガラ,イカル,ヒヨトリ,エナガ,ホオジロ,アオゲラ,ヒガラ,モズなどは周年観察されますが,新緑の頃ともなれば,ヤブサメ,センダイムシクイ,キビタキなどが木々の間から聞こえ,クロツグミやオオルリが我が世の春とばかりに枝のてっぺんで大声を張り上げていますし,サンショウクイも上空を鳴きながら飛んでいくのも見られます.
  • 晩秋にはマヒワ,アトリ,ツグミの群れが見られ,特にマヒワの大群は枯れ木に黄色い花のように見えることもあって,秋の深まりを感じます.大村町の登り口付近には文殊小学校の児童の手で巣箱がかけられていて,ヤマガラ,シジュウカラが利用しています.
  • どの季節も探鳥にむいていますのでハイキングを兼ねて出かけてみましょう.ただし,大勢の人たちよりも少人数で静かにでかけた方がよいでしょう.

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出典「福井の鳥とけものたち」(1998年3月 福井県自然保護課)