4.坂井平野 −マガン・ヒシクイの越冬地−
 冬になるとマガンとヒシクイの大群が飛来します.これらのガン類は石川県加賀市片野の鴨池を塒とし,坂井平野一帯を餌場として越冬しているのです.竿になり鈎になって飛ぶ姿や,冬枯れの田圃で餌をついばむ姿は冬の風物詩となっています.近年,これらのマガンに混じってハクガンが飛来し,我々の目を楽しませてくれます.ロシアとアメリカおよび日本によるハクガンの飛来復元計画によるもので,今後もっと多くのハクガンが飛来するとうれしいですね.
◆探鳥カレンダー ◆探鳥地の地図
◆探鳥ガイド
  • 10月下旬になると日の出時刻から30分ぐらいの間に鴨池方面から飛来してくるので,坂井平野のどこにいてもその姿を見ることができるでしょう.集団で舞い降りて離合集散しながら,刈り取りの終わった田圃で二番穂や落ち穂を食べています.雪のないうちは,坂井平野の広い範囲で観察できますが,2月ごろの積雪期になると九頭竜川に近い田圃周辺にいることが多いです.
  • 300〜400羽の大集団でいると幼鳥と成鳥の違い,口ばしの周りの白い部分にも個体差があること,集団の中で採餌や見張り番がいることなどの生態を間近に観察できます.また,これらの群れの中にカリガネが1〜2羽混じっていることもあるので,是非探してみましょう.
  • 坂井平野では,チョウゲンボウが杭や畔に止まっていたり,タヒバリやタゲリも見つけることができます.九頭竜川の河川敷では,ノスリに,希にコミミズクに出会えるかもしれません.冬鳥のミヤマガラスの集団が電線にいたり田圃で採餌しているのが見られますが,この群れの中にコクマルガラスが1〜2羽混じっていることがあるので要注意です.

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出典「福井の鳥とけものたち」(1998年3月 福井県自然保護課)