○ 温度計の測定原理

 大気の温度を気温といい、緊急時の大気汚染対策のためには、局地的な風向風速の変動観測とともに、気温の変動観測も重要です。 特に、光化学オキシダントの生成は、気温に大きく左右されます。
 気温は、時間や場所や高さにより、大きな違いがあります。 特に、裸地、草地、コンクリート等地表面の状態による違いや地表面付近の高さによる温度勾配が大きいことが、観測結果に大きな影響を及ぼします。 したがって、気温の観測値は、同一条件下で測定された結果でなければ相互の比較が困難です。 大気汚染常時監視測定局は、種々の制約のためこの条件を満たしている例が少ないので、その観測結果を利用するに当たっては注意が必要です。 気温の単位は℃で表し、その1/10まで記録します。
 温度計は、感温素子の種類や観測機構の違いにより、多くの種類がありますが、 常時監視測定に用いられているのは、感温素子に白金を用いた電気抵抗型温度計です。

(白金抵抗温度計)
 白金抵抗温度計は、金属などの導体が温度によって抵抗値が変わることを応用した方法で、電気抵抗を測定することによって温度を知ることができます。
 感部は、雲母や磁器などの薄板に直径 0.1mmの白金線を巻いた白金測温抵抗体を、ステンレス製の保護管に納め、完全防水型としています。 感温素子で作られた測温抵抗体を、ホイートストン・ブリッジ回路に組み込み、ブリッジ回路の電気的平衡状態から、気温の変化に対応して抵抗値が変化します。 この時、不平衡電流が流れるので、これを増幅回路を通して電圧に変換した後、電圧信号として出力します。


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