○ 日射量計の測定原理

 大気汚染の程度を大きく左右する気象条件の一つに、大気安定度があります。 大気安定度とは、大気の上下混合の程度を表す指標であり、安定の場合は乱れが小さく上下混合が小さくなります。 不安定の場合は、乱れが大きく上下混合が激しくなります。 この状態により、大気中に排出された大気汚染物質の清浄空気による希釈や拡散の程度が異なることとなります。 昼間における大気安定度は、風速と日射量によって分類されるため、 大気汚染の拡散予測シミュレーションや大気汚染現象の解明に日射量のデータは欠くことができません。
 日射量は、地面付近の水平な平面に入射する太陽エネルギーの単位面積当たりの量です。 日射量は、大気中の水蒸気、ちりおよび雲などの影響を受け刻々の変動が激しいため、ある時刻の瞬時値ではなく、一定時間における積算量を用いることが多いです。  単位は、瞬時値についてはキロワット毎平方メートル(kW/m2)、積算量についてはメガジュール毎平方メートル(MJ/m2)です。

 全天日射量とは、単位面積の水平面に入射する太陽放射の総量で、直達日射、天空の全方向から入射する散乱日射および雲からの反射日射を合わせたものをいい、 日の出前および日の入り後にもわずかながら観測されます。
 直達日射量とは、単位面積の水平面に入射する太陽放射のうち散乱光および反射光を除いた日射量をいいます。 太陽から直接到達する直達日射量が観測できるのは、日の出から日の入りまでです。
 散乱日射量とは、単位面積の水平面に入射する太陽放射のうち直達日射を除き、 大気中で空気分子、水蒸気、エアロゾル等で散乱された光のエネルギー量をいいます。

 日射量計の原理は、日射を受けた物体がそのエネルギーを吸収して温度が上昇する性質を利用しています。 白色の物体と黒色の物体では、日射に対する反射率が異なるので、吸収されるエネルギーの差により両者の間に温度の差が生じます。 その温度差を、鋼/コンスタンタン熱電堆(多数の熱電対を直列に接続したもの)を用いて測定し、入射した日射量に換算します。

 全天日射計は、感部、変換部および記録部で構成されます。 感部は日射エネルギーを熱エネルギーに変換し、日射の強さに比例した温度差を熱電堆によって熱起電力として出力します。 熱電堆の起電力による信号は、変換部において増幅、補正を加え、日射量に換算、変換されます。 その変換定数は、標準測器との比較検定によって「検定定数」として定められ、日射量計ごとに異なった定数を持ち、互換性がありません。


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