○ オキシダント自動測定機の測定原理

 オキシダントとは、全オキシダント、光化学オキシダント、オゾン等の酸化性物質の総称です。 全オキシダントは、中性よう化カリウム溶液からよう素を遊離するすべての酸化性物質の総称であり、 全オキシタントの中から二酸化窒素を除いた物質が光化学オキシダントです。
 環境大気中の光化学オキシダント自動測定機としては、吸光光度法、電量法、紫外線吸収法および化学発光法に基づく方式があり、 環境基準および緊急時の措置に係る測定法としては、「大気の汚染に係る環境基準について」(昭和48年環境庁告示第25号)および大気汚染防止法施行規則第18条において、 中性よう化カリウムを用いる吸光光度法、電量法、紫外線吸収法またはエチレンを用いた化学発光法を用いるとされています。
 なお、福井県においては現在のところ、中性よう化カリウムを用いる吸光光度法または紫外線吸収法により大気汚染の常時監視を実施しています。

(中性よう化カリウムを用いる吸光光度法)
 オキシダントを含む試料大気は、中性よう化カリウム溶液中に通じると、よう化カリウムが酸化されて (1)式の反応でよう素を遊離し、 よう化カリウム溶液中では黄褐色に発色します。

2KI + O3 + H2O → I2 + O2 + 2KOH      (1)

       KI + I2  =   KI3                (2)

 この発色液の波長 365nm付近における吸光度を測定することにより、大気中のオキシダント濃度を測定する方法です。
 なお、よう化カリウム溶液中に遊離したよう素は、よう化カリウムと反応して3よう化カリウムとなり、 (2)式に示す平衡関係にあります。 また、遊離したよう素は液相、気相の間で平衡関係があり、温度、圧力が一定で密閉系であれば平衡状態が成り立ち、液相中のよう素濃度は一定になります。 しかし、オキシダント自動測定機のように開放系である場合は、ガス流量によって液相と気相の間の平衡状態は常に変化します。
 中性よう化カリウム溶液は、pH緩衝溶液とするために、燐酸一カリウム(KH2PO4)および燐酸水素二ナトリウム (Na2HPO4)が加えられており、酸やアルカリに対して吸収液を中性に保たせています。

(紫外線吸収法)
 オゾンは、波長254nm付近の紫外線領域に極大吸収帯を持っています。紫外線吸収法は、光源から光学フィルタを通して得られる短波長紫外線を測定光として、オゾンによる吸光度を測定する方法です。なお、この領域には、環境大気中に共存する一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素および二酸化窒素による吸収がなく、測定機の構成面からも共存成分による測定への影響は比較的受けにくいといえます。
 オゾン濃度は、ランベルトベールの法則に基づき、気体の状態方程式を適用することにより次の式で決定することができます。
 ただし、自動測定機では、ゼロ位補正と光量補正を目的として、オゾン分解器でオゾンを除去した比較ガスを試料セルに導入したときの試料セル透過光の強度をT0とし、オゾンを含む試料大気を試料セルに導入したときの試料セル透過光の強度をTとしています。

106 760 0
  C =  ─────  ×  ─────  ×  ─────  × ln ──
kl 273

0オゾンを除去した場合の試料セル透過光の強度
Tオゾンを含む試料セル透過光の強度
オゾンの濃度(ppm)
オゾンの吸光係数(cm-1atm-1
光路の長さ(cm)
セル内の圧力(torr)
ガスの温度(K)

 環境大気の測定では、この方法で得られたオゾン濃度が、中性よう化カリウム溶液を用いる吸光光度法で得られた光化学オキシダント濃度と極めてよく一致します。このため、大気汚染の常時監視 においては、この方法で得られたオゾン濃度をもって光化学オキシダント濃度としてよいこととなっております。


ERC.PREF.FUKUI.JP