○ 炭化水素自動測定機の測定原理

 大気中の炭化水素の測定は、一般に光化学スモッグ生成に関与する非メタン炭化水素に重点がおかれていますが、 最近はメタンについても地球の温暖化に関与する、いわゆる温室効果ガスとして関心が持たれています。
 炭化水素自動測定機は、水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ法によっています。

(水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ法)
 水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ法は、炭化水素を水素炎中で燃焼するときに生じるイオンによる微少電流を測定する方法です。 この電流の強さは、炭化水素中の炭素数に比例するので、電流の強さを測定することにより炭化水素濃度を炭素数換算濃度として知ることができます。

 測定機は、試料大気を計量管で一定量に計量し、分離用カラムに導入します。 カラムでは、試料大気中の酸素、メタンおよび非メタン炭化水素成分がそれぞれ分離されて、カラムから最初に酸素とメタンが溶出します。 溶出するメタンを水素炎イオン化検出器で測定し、メタン濃度を求めます。 カラムから酸素とメタンが溶出した後、直ちにカラムのキャリヤガス流路をバックフラッシュ(逆洗)流路に切り換え、 カラムに残存する非メタン炭化水素を溶出させます。 溶出する非メタン炭化水素を水素炎イオン化検出器で測定し、非メタン炭化水素濃度を求めます。
 カラムによるメタン、非メタン炭化水素の分離は、メインカラム1本で行う方式(メインカラム方式)と プレカラム、メインカラムの2本で行う方式(プレカラム・メインカラム方式)とがあります。 これらのカラム構成は、水素炎イオン化検出器が酸素の影響を受けるため、 メタンと非メタン炭化水素を分離すると同時に酸素の分離をも考慮した方法になっています。
 燃料として使用する水素ガスは、水の電気分解により水素を得る水素発生装置、または高圧容器入りの高純度水素を用います。 いずれも水素炎イオン化検出器に供給される前に、炭化水素スクラバー等によって炭化水素濃度が0.05ppmC以下に抑えられたものを用います。
 キャリアガスは、日本工業規格(JIS)K1107(高純度窒素)に規定される2級(99.99% 以上)の純度で、 炭化水素含有量が0.1 ppmC以下の窒素を用います。
 助燃ガスは、自動測定機に付属している精製器で精製された空気を用います。


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