○ 一酸化炭素自動測定機の測定原理

 環境大気中の一酸化炭素を自動的に連続測定する測定機としては、JIS B 7951において、赤外線吸収方式に基づくものが規定されていますが、環境基準および緊急時の措置に係る測定法としては、「大気の汚染に係る環境基準について」(昭和48年環境庁告示第25号)および大気汚染防止法施行規則第18条において、非分散型赤外分析計を用いることになっています。
 福井県においてもこの方法により常時監視を実施しています。

(非分散型赤外線分析法)
 物質を構成している分子は、それぞれ特有の原子間振動を持っており、この振動モードの振動数に応じた波長の光を吸収し、 圧力が一定のガス体では濃度に対応した吸収を示します。 非分散型赤外線分析法は、この原理に基づいて一酸化炭素の 4.7μm付近における赤外線吸収を計測することにより、 その成分濃度を測定する方法です。

 近年では、一酸化炭素濃度1Oppm 以下の低濃度域における選択性、安定性の向上やノイズレベルの低減のために、様々な工夫をした機器が普及しています。
 選択性の向上のためには、一酸化炭素と吸収スペクトルが一部重なる二酸化炭素や水等の干渉成分の影響を除く目的で、 差量法、ガスフィルタ相関法、帯域フィルタ法などが採用されています。

 吸収スペクトルを比較する方法としては、
1 交互に異なるセルへ流れを切り換える複光源方式
2 一定周期で流れを切り換える単光源単一セル方式
3 回転セクタを用いた単光源方式
等があります。
 これらの方式の採用により、光源光量や検出器のバランスが変化しても原理的にゼロドリフトが起きず、 低濃度における安定性が従来に比べ向上しております。

 一方、ノイズレベルの低減方法としては、
1 短時間に比較ガスと試料ガスを切り換える方式
2 光源や回転セクタの構造を、振動等による光量の変化が2つのセルに均等に影響するよう考慮された方式
等が採用されています。


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