第二章 環境の保全に関する基本的施策 第三節 環境基準 第十六条 政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上 の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維 持されることが望ましい基準を定めるものとする。 4 政府は、この章に定める施策であって公害の防止に関係するもの(以下「公害の 防止に関する施策」という。)を総合的かつ有効適切に講ずることにより、第一項の 基準が確保されるように努めなければならない。 |
第四章 大気の汚染の状況の監視等 (常時監視) 第二十二条 都道府県知事は、大気の汚染の状況を常時監視しなければならない。 2 都道府県知事は、前項の常時監視の結果を環境大臣に報告しなければならない。 (緊急時の措置) 第二十三条 都道府県知事は、大気の汚染が著しくなり、人の健康又は生活環 境に係る被害が生ずるおそれがある場合として政令で定める場合に該当する事態 が発生したときは、その事態を一般に周知させるとともに、ばい煙を排出する者 又は自動車の使用者若しくは運転者であつて、当該大気の汚染をさらに著しくす るおそれがあると認められるものに対し、ばい煙の排出量の減少又は自動車の運 行の自主的制限について協力を求めなければならない。 2 都道府県知事は、気象状況の影響により大気の汚染が急激に著しくなり、 人の健康又は生活環境に重大な被害が生ずる場合として政令で定める場合に該当 する事態が発生したときは、当該事態がばい煙に起因する場合にあつては、環境 省令で定めるところにより、ばい煙排出者に対し、ばい煙量又はばい煙濃度の減 少、ばい煙発生施設の使用の制限その他必要な措置をとるべきことを命じ、当該 事態が自動車排出ガスに起因する場合にあつては、都道府県公安委員会に対し、 道路交通法 の規定による措置をとるべきことを要請するものとする。 (公表) 第二四条 都道府県知事は、当該都道府県の区域に係る大気の汚染の状況を公 表しなければならない。 |
(緊急時) 第一一条 法第二三条第一項の政令で定める場合は、別表第五の上欄に掲げる 物質について、それぞれ、同表の中欄に掲げる場合に該当し、かつ、気象条件 からみて当該大気の汚染の状態が継続すると認められるときとする。 2 法第二三条第二項の政令で定める場合は、別表第五の上欄に掲げる物質に ついて、それぞれ、同表の下欄に掲げる場合に該当し、かつ、気象条件からみ て当該大気の汚染の状態が継続すると認められるときとする。 |
二酸化硫黄 | 浮遊粒子状物質 | 一酸化炭素 | 二酸化窒素 | オキシダント |
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1 大気中における含有率の1時間値(次項を除き、以下単に「1時間値」という。)
100万分の0.2以上である大気の汚染の状態が3時間継続した場合 2 1時間値100万分の0.3以上である大気の汚染の状態が2時間継続した場合 3 1時間値100万分の0.5以上である大気の汚染の状態になった場合 4 1時間値の48時間平均値100万分の0.15以上である大気の汚染の状態になった場合 |
大気中における量の1時間値が1立方メートルにつき2.0ミリグラム以上である大気の汚染の状態が2時間継続した場合 |
1時間値100万分の30以上である大気の汚染の状態になった場合 |
1時間値100万分の0.5以上である大気の汚染の状態になった場合 |
1時間値100万分の0.12以上である大気の汚染の状態になった場合 |
1 1時間値100万分の0.5以上である大気の汚染の状態が3時間継続した場合 2 1時間値100万分の0.7以上である大気の汚染の状態が2時間継続した場合 |
大気中における量の1時間値が1立方メートルにつき3.0ミリグラム以上である大気の汚染の状態が3時間継続した場合 |
1時間値100万分の50以上である大気の汚染の状態になった場合 |
1時間値100万分の1以上である大気の汚染の状態になった場合 |
1時間値100万分の0.4以上である大気の汚染の状態になった場合 |
備考 この表に規定する1時間値の算定に関し、必要な事項並びに浮遊粒子状物質及びオキシダントの範囲は、環境省令で定める。 |
(緊急時) 第十七条 法第二十三条第二項 の規定によるばい煙排出者に対する命令は、大気の汚染の状況、気象状況の影響、ばい煙発生施設の種類及び規模等を勘案して当該措置が必要と認められる地域及びばい煙排出者の範囲を定めて行うものとする。 2 前項の命令は、当該命令の内容その他必要な事項を記載した文書により、当該ばい煙排出者に対して行うものとする。ただし、文書により行うことが著しく困難であると認められるときは、電話その他の電気通信設備を使用して行うことができる。 3 前項ただし書の方法により命令する場合にあつては、併せて当該ばい煙排出者が当該命令の有無及びその内容を確認できる方法を講じ、かつ、伝達しなければならない。 4 前二項の規定は、第一項の命令が緊急時の措置をとるべき期限を明示せずに行われた場合における当該命令の解除について準用する。 第十八条 令別表第五の備考の環境省令で定める一時間値の算定は、次の各号に掲げる物質について、それぞれ当該各号に掲げる測定器を用いて、大気を連続して一時間吸引して行うものとする。 一 硫黄酸化物 溶液導電率法又は紫外線蛍光法による硫黄酸化物測定器 二 浮遊粒子状物質 光散乱法、圧電天びん法又はベータ線吸収法による浮遊粒子状物質濃度測定器 三 一酸化炭素 非分散形赤外分析計法による一酸化炭素測定器 四 二酸化窒素 ザルツマン試薬を用いた吸光光度法又はオゾンを用いた化学発光法による二酸化窒素測定器 五 オキシダント 日本工業規格B七九五七に定める濃度の中性燐酸塩緩衝沃化カリウム溶液を用いた吸光光度法若しくは電量法によるオキシダント測定器であつて日本工業規格B七九五七に定める方法により校正を行つたもの又は紫外線吸収法若しくはエチレンを用いた化学発光法によるオゾン測定器 2 令別表第五の備考の環境省令で定める浮遊粒子状物質の範囲は、大気中の浮遊粒子状物質であつて、その粒径がおおむね十マイクロメートル以下であるものとする。 3 令別表第五の備考の環境省令で定めるオキシダントの範囲は、大気中のオゾン、パーオキシアシルナイトレートその他沃化カリウムと反応して沃素を遊離させる酸化性物質とする。 |