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平成１７年度ＰＲＴＲデータの集計結果の概要について

安全環境部環境政策課

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」（いわゆるＰＲＴＲ法）に基づき、化学物質排出移動量届出制度が平成14年4月から開始されました。 このＰＲＴＲ制度は、さまざまな化学物質の環境への排出量を把握することにより、事業者の自主的な化学物質の管理の改善を促進し、化学物質による環境保全上の支障が生ずることを 未然に防止することを目的としたもので、対象事業者は、届出対象となる化学物質について、環境への排出移動量の届出を行い、国がその集計および公表を行うことが義務付けられています。

このたび、国が集計したデータを基に、本県の集計結果（平成17年度分）をとりまとめましたので、お知らせします。

１　事業所からの排出量・移動量

・届出事業所数等

平成17年度分については、県内の420事業所から届出がありました。届出事業所数は、前年度と同じでした。 また、届出があった化学物質は、対象354物質のうち137物質でした。

・排出量

大気や公共用水域等に排出された合計量は3,329トンで、前年度より86トン増加しました。

県内排出量の上位5物質とその排出量および主な用途は次のとおりです。なお、各物質の排出量は、ほぼ前年度と同様でした。

順位	物質名	排出量(トン)	主な用途
1	トルエン	1,193	溶剤、合成原料
2	二硫化炭素	760	セロハンやレーヨン製造用の溶剤
3	Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド	297	合成皮革や合成繊維製造用の溶剤
4	エチレングリコール	250	ポリエステル繊維やポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）の原料
5	ジクロロメタン	244	脱脂、洗浄

・移動量

下水道や廃棄物により、事業所外へ移動した量の合計は5,269トンで、前年度より1,019トンの減少となりました。

これまでの届出状況

年度	届出事業所	届出物質 種類数	排出量合計 (トン／年)	県内排出量上位5物質 (トン／年)		移動量合計 (トン／年)
13	349 (1.0％)	122	3,475 (1.1％)	1　トルエン 2　二硫化炭素 3　エチレングリコール 4　キシレン 5　ジクロロメタン	1,508 740 358 248 201	5,878 (2.5％)
14	374 (1.1％)	129	3,293 (1.1％)	1　トルエン 2　二硫化炭素 3　エチレングリコール 4　キシレン 5　ジクロロメタン	1,332 760 359 239 166	5,724 (2.6％)
15	443 (1.1％)	141	3,365 (1.2％)	1　トルエン 2　二硫化炭素 3　エチレングリコール 4　キシレン 5　ジクロロメタン	1,297 770 249 204 202	6,113 (2.6％)
16	420 (1.0％)	139	3,243 (1.2％)	1　トルエン 2　二硫化炭素 3　エチレングリコール 4　キシレン 5　ジクロロメタン	1,214 770 249 193 188	6,288 (2.7％)
17	420 (1.0％)	137	3,329 (1.3％)	1　トルエン 2　二硫化炭素 3　Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド 4　エチレングリコール 5　ジクロロメタン	1,193 760 297 250 244	5,269 (2.3％)

(　)内は全国に対する割合

２　データの提供等

事業者からの届出状況は、環境政策課で閲覧することができます。

市町村別、業種別に集計した結果は次のとおりです。

なお、化学物質が人の健康や生態系へ及ぼすおそれ（リスク）を評価するには、化学物質排出移動量のデータに加え、分解性・蓄積性を考慮し、化学物質が環境中で人や動植物に実際にさらされる量と、化学物質の有害性の程度とをあわせて考えることが必要です。PRTR制度による排出移動量の集計値のみで、人の健康や生態系への影響を論じることはできませんが、排出量の多い物質や地域を把握することが可能であり、リスク評価を行っていくための基礎データとなります。

ＰＲＴＲについて

●目的

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化学物質排出把握管理促進法、 いわゆるＰＲＴＲ（Pollutant Release and Transfer Register：環境汚染物質排出移動登録）法）は、有害性のおそれのあるさまざまな化学物質の環境への排出量を把握することなどにより、 化学物質を取り扱う事業者の自主的な化学物質の管理の改善を促進し、化学物質による環境の保全上の支障が生ずることを未然に防止することを目的として制定されました。

●PRTRの対象となる化学物質

人の健康や生態系に有害なおそれがある等の性状を有する化学物質で、有害性についての国際的な評価や物質の生産量などを踏まえ、環境中に広く存在すると認められる「第一種指定化学物質」 354物質とそれを含む製品が対象となっています。

●届出と公表

「第一種指定化学物質」を製造したり使用したりしている事業者は、環境に排出した量（排出量）と、事業所の外へ移動させた量（移動量）とを自ら把握し、年に１回国に届け出ます。国は、そのデータを集計し、また、家庭や農地、自動車などから環境に排出されている対象化学物質の量を推計して、２つのデータを併せて公表します。

●事業者

事業者は、環境への排出が規制されている化学物質を含め、さまざまな化学物質について、環境への排出口に限らないさまざまな箇所からの排出量を自ら把握し、行政に届け出ることになります。そのような把握を通じて、また、同業他社等のデータと比較することにより、化学物質の自主的な管理の改善を進めることができ、ムダな排出を抑え、原材料の節約などを行えます。

●行政

国や地方公共団体は、PRTRのデータを環境保全施策、化学物質管理施策の基礎的なデータとして用いることができます。例えば、化学物質対策の優先づけや対策の進捗状況の把握に、また国や地域 レベルでの環境リスクの評価などに活用することができます。

＜移動量と排出量＞

排出量

排出量とは、環境中に排出された量で、排出先により『�@大気への排出�A公共用水域への排出�B当該事業所における土壌への排出�C当該事業所における埋立処分』があります。

移動量

移動量とは、事業所外に移動した量で、『�@下水道への移動�A廃棄による事業所外への持ち出し』があります。

平成１７年度　都道府県別届出事業所数・排出量・移動量

都道府県	届出数		届出物質 種類数	排出量		移動量		排出量・移動量合計
	事業所数	割合(%)		（kg／年）	割合(%)	（kg／年）	割合(%)	（kg／年）	割合(%)
北海道	2,051	5.0%	140	7,341,339	2.8%	1,540,984	0.7%	8,882,322	1.8%
青森県	419	1.0%	76	860,030	0.3%	437,316	0.2%	1,297,346	0.3%
岩手県	571	1.4%	78	2,569,781	1.0%	1,133,918	0.5%	3,703,699	0.8%
宮城県	858	2.1%	109	2,141,837	0.8%	1,970,476	0.9%	4,112,313	0.8%
秋田県	558	1.4%	75	8,733,840	3.4%	1,798,961	0.8%	10,532,801	2.2%
山形県	644	1.6%	104	988,285	0.4%	1,742,710	0.8%	2,730,995	0.6%
福島県	1,185	2.9%	208	6,318,204	2.4%	10,123,292	4.4%	16,441,496	3.4%
茨城県	1,207	3.0%	190	11,334,728	4.4%	10,242,063	4.4%	21,576,791	4.4%
栃木県	804	2.0%	133	8,372,834	3.2%	3,983,305	1.7%	12,356,138	2.5%
群馬県	828	2.0%	135	6,870,897	2.7%	4,472,328	1.9%	11,343,225	2.3%
埼玉県	1,725	4.2%	189	14,253,215	5.5%	10,301,242	4.5%	24,554,456	5.0%
千葉県	1,468	3.6%	179	9,195,940	3.6%	14,492,050	6.3%	23,687,990	4.8%
東京都	1,487	3.6%	120	3,347,292	1.3%	3,264,057	1.4%	6,611,350	1.4%
神奈川県	1,798	4.4%	171	10,866,070	4.2%	14,179,622	6.1%	25,045,692	5.1%
新潟県	1,086	2.7%	147	4,110,737	1.6%	2,839,165	1.2%	6,949,902	1.4%
富山県	661	1.6%	128	2,869,216	1.1%	4,273,279	1.9%	7,142,495	1.5%
石川県	550	1.3%	105	3,420,762	1.3%	1,916,127	0.8%	5,336,889	1.1%
福井県	420	1.0%	137	3,328,862	1.3%	5,268,924	2.3%	8,597,785	1.8%
山梨県	400	1.0%	78	2,126,567	0.8%	1,182,227	0.5%	3,308,794	0.7%
長野県	1,344	3.3%	113	2,948,129	1.1%	1,948,250	0.8%	4,896,380	1.0%
岐阜県	947	2.3%	128	8,244,445	3.2%	3,673,807	1.6%	11,918,252	2.4%
静岡県	1,632	4.0%	185	18,699,028	7.2%	7,685,689	3.3%	26,384,717	5.4%
愛知県	2,564	6.3%	171	20,268,638	7.8%	16,521,014	7.2%	36,789,652	7.5%
三重県	855	2.1%	166	8,341,899	3.2%	7,782,594	3.4%	16,124,493	3.3%
滋賀県	651	1.6%	142	5,158,982	2.0%	5,819,119	2.5%	10,978,101	2.2%
京都府	703	1.7%	131	3,320,304	1.3%	2,278,122	1.0%	5,598,426	1.1%
大阪府	1,926	4.7%	187	7,415,737	2.9%	10,980,998	4.8%	18,396,735	3.8%
兵庫県	1,813	4.4%	190	9,500,933	3.7%	15,124,414	6.5%	24,625,347	5.0%
奈良県	384	0.9%	90	1,164,401	0.5%	1,282,362	0.6%	2,446,763	0.5%
和歌山県	363	0.9%	138	2,586,475	1.0%	3,673,529	1.6%	6,260,004	1.3%
鳥取県	325	0.8%	47	1,120,917	0.4%	540,928	0.2%	1,661,845	0.3%
島根県	300	0.7%	77	2,043,453	0.8%	1,088,248	0.5%	3,131,702	0.6%
岡山県	923	2.3%	177	6,933,988	2.7%	11,242,021	4.9%	18,176,009	3.7%
広島県	1,012	2.5%	181	12,001,396	4.6%	5,004,596	2.2%	17,005,992	3.5%
山口県	619	1.5%	200	5,797,645	2.2%	14,563,372	6.3%	20,361,017	4.2%
徳島県	320	0.8%	114	670,930	0.3%	1,021,966	0.4%	1,692,896	0.3%
香川県	422	1.0%	97	6,149,217	2.4%	1,389,007	0.6%	7,538,224	1.5%
愛媛県	552	1.4%	136	4,999,426	1.9%	7,547,054	3.3%	12,546,480	2.6%
高知県	209	0.5%	48	386,158	0.1%	124,339	0.1%	510,497	0.1%
福岡県	1,431	3.5%	157	7,873,936	3.0%	7,066,100	3.1%	14,940,036	3.1%
佐賀県	384	0.9%	107	2,149,473	0.8%	889,644	0.4%	3,039,117	0.6%
長崎県	368	0.9%	51	3,095,482	1.2%	487,902	0.2%	3,583,384	0.7%
熊本県	605	1.5%	102	2,814,579	1.1%	1,749,693	0.8%	4,564,272	0.9%
大分県	382	0.9%	113	1,625,233	0.6%	3,638,386	1.6%	5,263,620	1.1%
宮崎県	377	0.9%	97	3,283,996	1.3%	2,201,256	1.0%	5,485,252	1.1%
鹿児島県	507	1.2%	91	513,330	0.2%	293,866	0.1%	807,196	0.2%
沖縄県	185	0.5%	57	518,712	0.2%	175,199	0.1%	693,911	0.1%
合計	40,823	100%	330	258,677,276	100%	230,955,521	100%	489,632,797	100%
割合(%)				52.8%		47.2%		100%

※排出量・移動量の合計は、各事業所から届け出られた当該データ（ダイオキシン類を除き小数点第一位まで）の合計について小数点第一位で四捨五入し、 整数表示したもの。本集計表の排出量等の各欄を縦・横方向に合計した数値とは異なる場合がある。

＜福井県における排出量・移動量＞

�@排出量・移動量内訳

環境中への排出量 (トン／年)					事業所外への移動量 (トン／年)			排出･移動量合計 (トン／年)
大気	公共用 水域	土壌	埋立	小計	下水道	廃棄物	小計
2,851	478	0.0	0.0	3,329	66	5,203	5,269	8,598

�A業種別排出量（上位5業種）

業種名	排出量　(トン／年)
	大気	公共用水域	土壌	埋立	合計
繊維工業	899	422	0.0	0.0	1,321
パルプ・紙・紙加工品製造業	861	1.1	0.0	0.0	863
化学工業	221	9.3	0.0	0.0	230
プラスチック製品製造業	220	0.0	0.0	0.0	220
非鉄金属製造業	145	0.0	0.0	0.0	145
その他	505	46	0.0	0.0	551
合計	2,851	478	0.0	0.0	3,329

�B物質別環境中への排出量（上位5物質）

対象化学物質		排出量　(トン／年)
物質番号	物質名	大気	公共用水域	合計
227	トルエン	1,193	0.2	1,193
241	二硫化炭素	760	0.0	760
172	Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド	217	80	297
43	エチレングリコール	2	248.6	250
145	ジクロロメタン	244	0.0	244
	その他	435	149	584
合計		2,851	478	3,329

�C大気への排出量（上位5物質）

対象化学物質		大気への排出量 (トン／年)
物質番号	物質名
227	トルエン	1,193
241	二硫化炭素	760
145	ジクロロメタン	244
172	Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド	217
63	キシレン	162
	その他	275
合計		2,851

�D公共用水域への排出量（上位5物質）

対象化学物質		公共用水域への 排出量　(トン／年)
物質番号	物質名
43	エチレングリコール	249
172	Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド	80
307	ポリ（オキシエチレン）＝アルキルエーテル （Ｃが12〜15）	25
304	ほう素及びその化合物	23
205	テレフタル酸	21
	その他	80
合計		478

�Eトルエンの市町別排出量

市町名	排出量　(トン／年)
	大気	公共用水域	土壌	埋立	合計
福井市	620	0.0	0.0	0.0	620
鯖江市	275	0.0	0.0	0.0	275
坂井市	153	0.0	0.0	0.0	153
越前市	116	0.0	0.0	0.0	116
若狭町	9.1	0.0	0.0	0.0	9.1
上記外	20	0.2	0.0	0.0	21
合計	1,193	0.2	0.0	0.0	1,193

�F二硫化炭素の市町別排出量

市町名	排出量　(トン／年)
	大気	公共用水域	土壌	埋立	合計
越前市	760	0.0	0.0	0.0	760
上記外	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0
合計	760	0.0	0.0	0.0	760

�GN,N-ジメチルホルムアミドの市町別排出量

市町名	排出量　(トン／年)
	大気	公共用水域	土壌	埋立	排出量合計
福井市	154	80	0.0	0.0	234
鯖江市	62	0.0	0.0	0.0	62
上記外	0.7	0.0	0.0	0.0	0.7
合計	217	80	0.0	0.0	297

�Hエチレングリコールの市町別排出量

市町名	排出量　(トン／年)
	大気	公共用水域	土壌	埋立	合計
敦賀市	1.3	180	0.0	0.0	181
福井市	0.0	68	0.0	0.0	68
坂井市	0.2	1.1	0.0	0.0	1.3
上記外	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0
合計	1.5	249	0.0	0.0	250

�Iジクロロメタンの市町別排出量

市町名	排出量　(トン／年)
	大気	公共用水域	土壌	埋立	合計
鯖江市	131	0.0	0.0	0.0	131
越前市	70.9	0.0	0.0	0.0	71
あわら市	15	0.0	0.0	0.0	15
福井市	14	0.0	0.0	0.0	14
勝山市	9.2	0.0	0.0	0.0	9.2
上記外	4.1	0.0	0.0	0.0	4.1
合計	244	0.0	0.0	0.0	244

�J業種別事業所外への移動量（上位5業種）

業種名	移動量　(トン／年)
	下水道	廃棄物	合計
化学工業	13	2,825	2,838
繊維工業	49	1,456	1,505
プラスチック製品製造業	0.0	282	282
電気機械器具製造業	0.0	226	226
パルプ・紙・紙加工業	0.0	133	133
その他	4.3	279	284
合計	66	5,203	5,269

�K物質別事業所外への移動量（上位5物質）

対象化学物質		移動量　(トン／年)
物質番号	物質名	下水道 への移動	廃棄物と しての移動	合計
227	トルエン	1.8	1,470	1,472
172	Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド	0.0	1,099	1,099
63	キシレン	0.1	431	431
1	亜鉛の水溶性化合物	0.2	282	283
43	エチレングリコール	37	212	250
	その他	27	1,709	1,735
合計		66	5,203	5,269

�L下水道への移動量（上位5物質）

対象化学物質		下水道への移動 (トン／年)
物質番号	物質名
43	エチレングリコール	37
307	ポリ（オキシエチレン）＝アルキルエーテル (Cが12〜15）	8.9
254	ヒドロキノン	3.0
346	モリブデン及びその化合物	2.7
16	２−アミノエタノール	2.5
	その他	12
合計		66

�M廃棄物としての移動量（上位5物質）

対象化学物質		廃棄物としての移動量 (トン／年)
物質番号	物質名
227	トルエン	1,472
172	Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド	1,099
63	キシレン	431
1	亜鉛の水溶性化合物	283
310	ホルムアルデヒド	244
	その他	1,675
合計		5,203

なお、化学物質が人の健康や生態系へ及ぼすおそれ（リスク）を評価するには、化学物質排出移動量のデータに加え、分解性・蓄積性を考慮し、化学物質が環境中で人や動植物に実際に さらされる量と、化学物の有害性の程度とをあわせて考えることが必要です。ＰＲＴＲ制度による排出移動量の集計値のみで、人の健康や生態系への影響を論じることはできませんが、 排出量の多い物質や地域を把握することが可能であり、リスク評価を行っていくための基礎データとなります。

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